「そうと決まれば行くわよ!」
何を考えているのか分からないあーちゃんは“確か、今バーゲン中よね”なんて1人で意味深なことをブツブツと呟いている。
あたしと愛チャンは顔を合わせて、同時に首を傾げた。
一体、あーちゃんは何を考えてるの?
「ねぇ、あーちゃん。行くってどこに?」
愛チャンが聞くと、あーちゃんは有無を言わせない表情で妖しげな笑みを浮かべた。
「そんなこと、決まってるじゃなぁい!」
あーちゃんは得意気にそう言ってあたし達の手を掴み、歩き出した。
「よし! 今日は奮発しちゃうわ!」
電車とバスを乗り継いであーちゃんに連れてこられたのは、ショッピングモール。
ショーウィンドーには、春物の可愛い服がどの店にも飾られている。
あーちゃんは、もうお店に入って楽しそうに服を見ている。
そんな、あーちゃんの姿を見て、あたしと愛チャンは苦笑いした。


