あーちゃんと2人でその紙を覗き込む。

「さくら祭り……?」

綺麗な桜がプリントされていて『さくら祭り』とかかれている。

「今週の週末なんだけど一緒に行かない?」

愛チャンは妖しい笑みを浮かべて、あたしとあーちゃんの耳元で囁いた。

「……王子様達も連れてね?」

「な、ななな、なんですってぇええ!?」

あーちゃんは顔を真っ赤にして、大きな声で叫びを上げた。

あたしは、そんなあーちゃんを見て、苦笑しながら『さくら祭り』の紙を見つめた。

さくら祭りか……。

なんだか楽しそう……。

「行こうよ! さくら祭り」

あたしがそう言うと愛チャンは嬉しそうに微笑んで、頷いた。

愛チャンとお出かけなんて初めてだな……。

ちょっと緊張するけど、すごく楽しみ。

すると、あーちゃんは短いため息をついて

「仕方ないわね」

鞄を手に持って、立ち上がった。

その光景を愛チャンと2人、呆然と見つめる。