【続】幼なじみは俺様王子。








「お、美味しい!」


普通に食べるお寿司よりも身がのってて、すっごく美味しい。


「あら、それはよかった」


お寿司を頬張るあたしを見て、鈴さんはクスッと笑った。



「……それにしても、これは?」


楓が怪訝そうに眉をひそめて、テレビを見つめる。


そこに映されているのは、さっきまで行われていたあたし達の卒業式の様子。


「あたしもずっと気になってた……」


画面には、卒業証書を受けとる前のガチガチに緊張したあたしの姿が映っていた。


「あらぁ、言ってなかったっけ? あたし達、卒業式に参席してたのよ」


お母さんがそう言って玉子を口の中に入れる。



「えええっ! そうだったの!?」


テレビに流れているこの映像を見て、翌々考えればわかるんだけど……。


なんで何も言ってくれなかったの!


「だって、そういうのって内緒の方がワクワクするじゃない?」


いやいやいや。


卒業式に参席することを内緒にする必要はないでしょ……。


「久しぶりに会うんだからサプライズの方がいいかと思って! ねぇ?」


「もちろん」


お母さんとお父さんの間で、勝手に納得しちゃってるし……。


ほんと、どこまでも突然で呑気なふたりなんだたら。














お寿司も見事完食して、デザートのチョコプリンを頬張っていた時



「ねぇ穂香、楓チャン。話があるんだけど」


お母さんが珍しく真剣な表情で口を開いた。



「ふたりが卒業する頃に、あたしとお父さんは帰ってくるっていう約束だったわよね?」


そう尋ねられて、あたしはコクリと頷く。