激しく脈を打つ心臓の音がうるさいくらいに耳に響く。
あまりの緊張で震える手を力一杯握りしめて、深呼吸した。
……きっと、楓はあたしの姿を見てくれている。
楓に見合う女の子になるためには、これくらいの度胸と勇気もいるんだ。
あたしは……負けたくない。
他のライバルでもなく、柚月サンでもなく。
なによりも……自分自身に。
「……っ…あたしは、楓が好きですっ!」
震える声で放った言葉が大きく響いた。
観客は沈黙のまま、あたしをじっと見つめている。
「ずっと不安だった。こんなあたしが楓の彼女でいいのかって……」
「ちょっと、王子の彼女がアンタってどうゆうこと?」
女の子のトゲのある言葉によって、あたしの言葉は遮られた。
「変な幻覚でも見てんじゃねぇの?」
見知らぬ男の子の言葉に、観客達はゲラゲラと笑い始めた。
ズキン……。
軽蔑するような目と罵る言葉が、一気に浴びせられる。
「アンタ達、ちょっとうるさいんだけど」
そんな中、さらに刺々しい口調の女の子が声を張り上げた。


