爽と同じ制服を身にまとって、キレイな髪を横に縛っている女の人。


いかにも高貴な大人の女性って感じ。


あたしは状況も分からないまま、とりあえず「こんにちは」とお辞儀をした。


「母さんっ! コイツはそんなんじゃねぇよ!」


爽がその女の人に、大袈裟なくらい取り乱している。


……え? 母さん??


このキレイな女の人が爽のお母さんなのぉ!?


「そんなに慌てなくたっていいじゃない」


あたしの目の前に来た爽のお母さんは、顔を傾けてニコリと微笑んだ。


「初めまして、穂香ちゃん。爽から話は聞いてるわ♪」


改めて見ると、なんだか爽に似てる気がする。


優しく微笑んだ時の目元とかそっくりだ。