「だって、あたしが楓クンを好きだった頃、いっつも側にいたんだよぉ?
早川クンまで独り占めして、嫌いになるのも当然じゃない」


「あ、そっか。愛チャンは中学の頃の3人を知ってるんだもんね」


「そうよぉ。憎らしくて仕方なかったもん」


愛チャンは昔を思い出したように険しい表情で、眉をしかめている。


や、やっぱり楓に対する愛チャンの想いってすごいな……。


「でもさ、実際のところ、藤宮柚月サンってどんな人なの?」


あーちゃんが愛チャンに尋ねる。


「うーん……どんな人かぁ……」


あたしもあーちゃんと一緒に、愛チャンの次の言葉を待つ。


「よくはわからないけど、明るい子かな?」


「明るい子、か……」


爽の話を聞いてる限りでも、確かに明るい子って感じがした。


「まあ、そんなに気にすることないよ! 穂香!」


「そうよ。考えてても仕方ないでしょ?」


愛チャンとあーちゃんに励まされて、あたしは笑顔で頷いた。