「たっだいまぁ!」


「お邪魔しまぁす」


買い物袋を抱えて玄関に入ると、エプロンをつけたあーちゃんがあたし達を出迎えた。


「おかえり~!」


「もお、暑くて死んじゃうかと思ったよぉ]


「ご苦労さま。それより愛! 来るのが遅いわよ!」


あーちゃんはそう言って、愛チャンに笑顔を向けた。


「ごめんごめん! 穂香にケーキ作ろうと思って買い物してたら、ついつい遅くなっちゃった!」


ふと、隣にいる愛チャンを見る。


愛チャンは嬉しそうに目を細めて笑っていた。


よかった……。


愛チャンのこんな笑顔、久しぶりに見た。


リビングへと向かうふたりの背中を見てあたしは笑みを浮かべた。


「穂香!」


あーちゃんがリビングから、ひょこっと顔を出す。


「なんとか解決したみたいね」


「うん! 詳しいことはあとで話すね!」


あたしがそう言うと、あーちゃんは笑顔で頷いた。