【続】幼なじみは俺様王子。




気を取り直して、あたし達は、桜が満開に咲いている神社の正門に向かった。

正門に近づいていくにつれて、にぎやかな音が耳に入る。

「なんかにぎやかだね!」

隣で愛チャンが甲高い声を上げて、はしゃいでいる。

そんな愛チャンの姿は初めて見て。

あたしは思わず笑みを浮かべた。

正門に続く桜並木の道にはいろんな屋台が出ていて、自然と胸が高鳴る。

なんだか、すっごく楽しそう!

美味しそうな屋台も、たくさんあるし……。

そんなことを思いながら隣にあるチョコバナナの屋台に目が止まる。

食べたいなぁあああ…。

でも……あたしだけ食べたいって言うのも、なんか食いしん坊みたいで嫌だし……。

「ほら」

「……えっ?」

あたしの目の前に差し出されたのは、チョコバナナ。

それも、チョコがいっぱい付いていて、とびっきり美味しそう。

そのチョコバナナも持ち主は楓だった。

「食わねぇのかよ?」

無愛想に、楓はあたしにチョコバナナを乱暴に差し出す。