――目が覚めると、窓の外はもう雨が上がり夕日が沈みかけていた。



「……あ。もうこんな時間……」


すっかり爆睡してた。


そのおかげで少しカラダが楽なような気がする。


「よっこいしょ」とカラダを起こすと同時に、部屋をノックする音が聞こえた。


「はーい」


そう返事をすると、部屋のドアがゆっくりと開いた。



「具合どうだ?」


水の入ったコップと薬、そして湯気のたった土鍋をお盆に乗せて、楓が部屋に入ってきた。



結局、楓の作ってくれたお粥食べられなかったんだ……


悪いことしちゃったな。


楓は学校だったから、まだ制服のままだ。


そんな制服姿を目にしてたった1日休んだだけなのに、なんだか懐かしく感じてしまう。



「うん。大分よくなったよ」


幼なじみで、一緒に住んでいると言ってもあたしだって一応、女だ。


こんなボサボサな髪を見られたくなくて、あたしはさり気なく手で髪を整えた。