ふと、楓を見上げた。

だけど楓はあたしには目もくれず、涼しい顔で、あーちゃんと瀬川クンのやり取りを見つめている。

はぁあああああ……。

なんで、楓はこうなのかなぁあああ……。

あーちゃん達とは逆に、最近のあたし達の間にはマンネリ感が漂っていた。

深いため息をつくあたしを見て、楓はなにか言おうとしたけれど、その声は甲高い声によって遮られた。

「穂香、あーちゃん!」

声のした先を振り返る。

そこにいたのは、バラ柄のミニスカートをヒラヒラさせて走って来る愛チャン。

そして……

「…えっ? な、なんで……?」

愛チャンの隣にいる人物を見て、あたしは言葉を失った。

「チッ」と隣で、楓の舌打ちが聞こえる。

「お待たせぇ~!」

駆け寄ってきた愛チャン。

愛チャンの隣では胸糞悪そうに、髪をかきあげる人物。

唖然とする、あたし達。

それもそのはず……。

だってそこにいたのは……。