「実は、これ湊斗に選んでもらったの……」

……えっ?

瀬川クンに……?

不思議に思って、聞き返すと、あーちゃんの代わりに瀬川クンが口を開いた。

「亜沙子が、どうしてもって言うから、一緒について行って、服を選んであげたんだよ」

ハニカミスマイルを浮かべて、あーちゃんの頭を撫でた。

「ちょ、ちょっと!」

あーちゃんはタコみたいに顔を真っ赤にして、瀬川クンの手を振り払った。

だけど、瀬川クンはずっと笑顔のまま。

あーちゃんと瀬川クンは去年よりもラブラブ度が、ずっと増した気がする。

学校に来る時も、一緒に手を繋ぎながら登校してるし……。

昼休みも瀬川クンと2人でいることが多くなった。

あたしは宥めるように、ラブラブオーラ全開の2人を眺めた。

あーちゃんはいいなぁあああ……。

あたしは、一つ屋根の下で暮らしているからって、一緒に登校することなんて滅多にないし……。

とてもラブラブなんて、言えるようなものじゃない。

あたし達とは違って、ラブラブなあーちゃんが凄く羨ましい。