って言うか、どこが珍しいのよ!
あたしだって、健全な普通の女子高生なんだから!
「大食い。女格闘家、昼寝万歳……この時点で珍しいだろ?」
「だろ?」ってあたしに質問されても……
「不得意分野は料理、裁縫、運動、勉強……」
……うっ。
そこを言われるとちょっと、心にグサッと来る……
「まだ沢山あるけど、傷つくと可哀想だしやめておくか」
「あのねぇ……」
沢山あるんだ……
ってか、可哀想って思うなら最初から言わないでよ!
「でも」
心の中でプンプン怒っていると、いきなりグイッと力強く引き寄せられた。
楓のサラサラな髪が頬にあたって、すごくくすぐったい。
「そんなところが好き」
ただでさえ暑さで火照っているカラダが、余計に熱を増した。
本当、楓はズルいと思う。
今まで言われていたこと全て忘れちゃうくらいその言葉が耳に残って、離れない。


