そうして、あたし達はホラーハウスを出た。
あれから男の子にホラーハウスの出口の近道を教えてもらったあたし達は
「お幸せに!」と見送られながら部屋を後にした。
「あっという間に到着!」
なんだかんだ言って、結構面白かったかも。
あれ、そう言えばあーちゃん達は……?
出口付近の人混みから、あーちゃんと瀬川クンの姿を探す。
だけどいくら探しても、ふたりの姿は見当たらない。
「俺達は近道で行ったから、ゴールも早いんだろ」
「あ、そっか」
そう言うと、一番最初に入ったカップルが出口から出てきた。
やっぱり、こんなに早くゴール出来たんだ……
「湊斗達、ここで待つか」
そう言って、近くにあったベンチにドカッと座った。
あたしもその隣に小さく座る。
「あ~!楽しかった!」
「あ~!散々な目に遭った」
あたしの後で楓も嫌みくさく、そう続けた。


