「人間離れ、だってさ」
隣の男は他人事のようにケラケラ笑ってるし……
「責任取ってくださいよぉ!」
「そ、そんなこと言われても……」
あたし、こんなに責められる程、悪いことしたかなぁ……?
「あの……本当にごめんね?」
顔を覗き込んで謝っても男の子は顔を上げてくれない。
「あたしが悪かった」
その言葉が効いたのか、男の子はカバッと顔を上げた。
「いいんです。僕も言い過ぎました」
はぁ……
なんとか事が収まったみたい。
「ウチのが迷惑かけたな」
そう言って男の子の頭をポンポンとする楓。
「“人間離れ”したあんなことする女は早々いないから大丈夫だ」
「ちょっと!どういう意味よ、それ!」
「はいっ!」と男の子に元気が戻り、ふたりは笑顔で言葉を交わしている。
……まぁ、いっか。
大分、侮辱された気がするけど。一件落着ってことで!


