男の子がうずくまりながら、気まずそうな表情を浮かべる。
「僕、エキストラなんです……」
「「ええっ!?」」
そして、またまたふたり同時に声を張り上げた。
え、エキストラってことは……
芝居をしてるってことだよね?
なんてことよ……
ここは本物の廃墟屋敷なんかではなかったってことね……
安心したけど、ちょっとショックかも。
「なのにアナタは僕を……」
涙を浮かべて、その場にうずくまる男の子。
楓はあたしと目が合うなり鼻で「フッ」と笑った。
な、なによその態度……!
「僕は何も悪くないのに……」
「……そ、そうだよね!あたしが悪かった!」
っていうか、そもそもアナタがあたしの足を掴んだのが原因なんですけどね……
「こんな人間離れしたヒドいことをされたのは初めてです」
「もうエキストラをやる気なくしました……」とますます凹む男の子。
ちょ、ちょっと……
この状況、ヤバくない?


