えへへっ……
本当はあんまり怒ってないんだけど、コノ人からかうの、すごい面白い!
「そんなんだから、暗殺されるのよっ!」
最後の最後にはあたしにひざまづいて、深々と頭を下げていた。
「す、すすすすいませんでしたっ!」
「もう二度とこんなマネしないこと。わかった?」
「はいぃ!」と悲鳴のような返事をあげて、幽霊は立ち去って行った。
な、なんか逆に悪いことしちゃったかな……
……ごめんね。幽霊サン。
「おい。穂香」
しゃがみ込んで本を眺めていた楓が立ち上がった。
「アイツ、めちゃくちゃ可哀想だったぞ?」
……はい?
あぁ、アイツでてあの幽霊サンのこと?
まあ、確かに物凄く可哀想だったけどさ……
「って! そう思ってたなら助けてよっ!」
「嫌だ。穂香があの幽霊に説教してる顔、マジ面白かったし」
「あ、あのねぇ……」
まったく。
あたしのことを何だと思ってるんだか……


