「自殺か他殺か、判明されないまま、この豪邸は100年の時を経て未だに残されています」



とても作り話とは思えない現実味のある話に、さすがのあーちゃんも降参のようだ。


瀬川クンの腕に腕を絡ませて、身を強ばらせている。


「そうして、大富豪の一家も謎の死を遂げ、悪霊としてまだこの屋敷に残っているのです」


はあああああ……


そんな詳しく説明してくれなくてもいいのに……


「では、これから皆様には大富豪の自慢だったという屋敷にご案内させていただきます……」


そう言うと、ロビーの端にあった暖炉が真っ二つにわかれ、隠し部屋のようなものが姿を現した。


も、もしかして……

ここに入るの……?


「ここからは、一組ずつお入りになっていただきます」


お辞儀をしながら、一組ずつ誘導させていく従業員の人。


「いよいよね! 楽しみだわぁ!」


静かな雰囲気とは裏腹にあーちゃんはルンルンとしている。