「遅くなる時は電話しろって言ってんじゃねぇか」
「はーい」
適当に返事をして、自分の席につく。
あたしの前に並べられた美味しいなチャーハン……。
隣にはワカメスープが、並んでいた。
「いっただっきまぁす!」
美味しそうにチャーハンを頬張るあたしを楓は頬杖をついてジッと見つめている。
「まったく……」
呆れ顔で笑いながら、楓はあたしの口元についたチャーハンを手で取ってくれた。
ドキンッ……。
それだけで、あたしの思考は停止する。
「…心配するだろーが」
去年よりも、少し長くなった髪をかきながら、楓はボソッと呟いた。
あ、照れてる……。
「電話くらいしろよ」
少しからかってやろうと思ったけど。
ほんの少しだけ、頬を赤らめている楓がなんだか可愛くって。
気づけば、あたしは素直に頷いていた。
エプロン姿の楓にも慣れてきたこの頃……。
一つ屋根の下で暮らす、この関係にもだいぶ慣れてきた。