そんな忘れかけていた爽やかな空気の中に私は居た…。 その爽やかで、優しい空気に、涙が込み上げて来るのが分かった。 でも、泣いたらおかしい。 今まで、どんな辛い思いをしても、涙は流さなかったのに。 今にも涙がこぼれ落ちそうで、必死に止めようと、ぎゅっと握りこぶしを作った。 10分間の休み時間は終わった。 「3時間目、音楽だから、一緒に音楽室行こうね。」 クリタはそう言うと、私より前の自分の席に戻った。