昌代の遺体はもう火葬してしまった。
犯人の手がかりへと直結しているものは、現場しか残ってはいない。
そう思うと、いても立ってもいられず、家を飛び出したのだ。
紗耶香の長い髪が木に引っかかり、そこでようやく足を止めた。
肩で息をしながら、からまった髪を丁寧に解いていく。
そこまで気温は高くないハズなのに、必死で歩いてきたため額にうっすらと汗が滲んでいた。
携帯電話で辺りを照らし出していると、少し離れた場所に立ち入り禁止、の黄色いテープが見えた。
いつの間にか、目的の場所までたどり着いていた、ということだ。
紗耶香は生唾を飲み込み、だけどしっかりとした足取りでテープをくぐり、その現場へと向かった。



