「捜査の方はどうなの?」


「あぁ……、まぁまぁだな」


 と、新田は言葉を濁す。


 普通、一般人に情報を垂れ流すのはご法度だ。

 幸也の場合は少し特別なのでそれも許されるのだが、怪しい人物を見事取り逃がした。

 なんて胸を張って言えることではない。


「あまりよくないみたいだね」


 幸也の言葉に答えを出さず、新田は話を切り替えた。


「ところで、サークルの方はどうなんだ? 次の指令は来たのか?」


「まだだよ。指令はいつも不定期なんだ」


「指令は一体誰が送ってくるんだ?」


「さぁね。なんせネット上の交流しかないから。

お互いに本名も明かさないし、わからないことだらけだよ」


 ヒョイと肩をすくめて言った。


 幸也が所属しているのは、ネット上のみに存在する探偵ゴッコのようなサークルだった。


 登録すればメールで指令が送られてきて、それを各自で動き謎解きをするという、リアルなゲームみたいなものだ。