「本当に、すみませんでした」


 隣で深く頭を下げる新田に、藤堂も慌てて頭を下げる。


「これは間違いなく警察の不祥事です。

ケガまで負わせてしまって……」


「いえ、本当に大丈夫ですから」


 低姿勢な新田に、栗田も半笑いで首を振る。


 そして、


「でも、誰でしょうね。その男は」


 と、事件に興味を示すような素振りを見せた。


「それが解かったら、警察はいらないんですけどね」


 そう言葉をはぐらかし、新田は固い顔を始めて和らげた。


 しかし、どう見てもその笑顔は目が笑っていない。



 と、その時だった。