「本当に、すみませんでした」
隣で深く頭を下げる新田に、藤堂も慌てて頭を下げる。
「これは間違いなく警察の不祥事です。
ケガまで負わせてしまって……」
「いえ、本当に大丈夫ですから」
低姿勢な新田に、栗田も半笑いで首を振る。
そして、
「でも、誰でしょうね。その男は」
と、事件に興味を示すような素振りを見せた。
「それが解かったら、警察はいらないんですけどね」
そう言葉をはぐらかし、新田は固い顔を始めて和らげた。
しかし、どう見てもその笑顔は目が笑っていない。
と、その時だった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…