19の夏~私の愛した殺人鬼~


 見える場所には、どこにも事務所名のような物は書かれていない。


 こんな所にポツンと小屋が建っている時点で充分に怪しいが、

仕事内容を考えると人目のつかない場所にひっそりと事務所が存在する事にも納得がいく。


 幸也が声をかけると、中から人の声がやかましく聞こえてきた。


「きっと依頼者だ!」


 というさっきと同じ声に続き、

「どうせまたろくでもない仕事だ」

 と、今度は若い男のもののような声が聞こえる。