そこには、生前の戸部奈々子と飯田昌代の姿を、確かにとらえていた。 雨の中、しきりに何かを指差している。 なんだ……? 俺に何を伝えたい? その指先の方向へと、左手の目を移動させる。 しかし、ここからでは視角になっていて何も見えない。 「ついて来てくれ」 ネコは冬我にそう言うと、車を下りた。 冬我は、慌ててネコの頭上に傘を差し出す。 自分は少しぬれてしまうが、この際気にしている暇はない。