19の夏~私の愛した殺人鬼~

「な……なんでこんな所にいるの!?」


 驚いて目を見開く紗耶香にたいし、男は細い目を更に細めて冷たい視線を向けてきた。


「幸也君! 勝手に入っちゃ困るよ」


 そう言いながら慌てて霊安室に入ってきたのは、事件の内容を説明してくれた刑事。

 たしか、藤堂と名乗っていたか。

 藤堂は、幸也の腕をつかんで霊安室から引っ張り出そうとする。


「その方、誰なんです? 昌代ちゃんのお友達?」


 由佳子が、落ち着いた口調で藤堂へ聞いた。

 その質問に、藤堂は困ったように眉をよせ、

「それが……」

 と、口ごもる。