「君、シェイクスピアを知ってるの?」
「当たり前でしょ? どれだけ有名な人物だと思ってるのよ」
呆れたように肩をすくめる沙耶香に、栗田は嬉しそうに微笑んだ。
「僕の周りに物語を読むヤツなんてほとんどいないんだ。
ましてやシェイクスピアなんて『チケット売ってるのか?』なんて言われて終るよ」
「ヒドイ。それって『チケットぴあ』じゃない」
と、顔をしかめてから、二人は思わず噴出した。
シェイクスピアがチケットぴあだなんて、本当に信じられないほど無知な連中だ。
けれど、それがどうにもおかしかった。
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