「沙耶香?」 ちょっとだけ手の力を緩められて、ようやく「好きだよ」という答えが口からこぼれた。 その瞬間、自分でも信じられないくらい愛しい気持ちがこみ上げてくるのがわかった。 胸の奥の方から、ジワッとした切なさが熱を持って爽香の気持ちをくすぶる。 すると、自然と涙がこぼれた。 「好きだよ。ずっと好きだったよ」 「そっか」 「栗田君が気付かなかったんでしょ」 「ごめん、鈍感だから」