「霊がウジャウジャいるってことだ」


 冬我のその言葉に、沙耶香は幸也の服をギュッと掴んだ。


「一つの霊が他の霊を呼び寄せる場合がある。

ここも、最初はたった一体の魂だったハズだ。その一体が偶然引き起こした霊現象『幽霊の携帯電話』によって人々に噂は広まり、その噂が更に霊を呼んだんだろう」


「ネコ、霊は何体見える? もしくは何十体だ?」


「何体でも何十体でもない。何百はいる」


「なるほどな。だから家がねぇのか」