その態度に不快感を覚えながらも、藤堂はスーツの内ポケットから警察手帳を取り出し、青年に突きつけた。 「警察だ」 青年は近すぎる警察手帳に目を寄り目にしながら、 「で……? なぁに?」 と聞く。 「だから、飯田沙耶香ちゃんを探してるんだよ」 自分よりも背が低く、年齢も下の男にここでナメられたくない。 その思いから、どうでもいい所で巻き舌を使ってしまう。 「飯田沙耶香ねぇ……。可愛くて有名だよねぇ」 ハハハッ! と、何がおかしいのか声を上げて笑う。