19の夏~私の愛した殺人鬼~


「……携帯電話」


 冬我は、目に映ったものの名称を素直にそのまま口に出した。


 その瞬間、沙耶香が一瞬小さな悲鳴を上げた。


 見ると、顔が真っ青である。


「おい、どうした?」


 道端に携帯が落ちているなんてこと、最近じゃそんなに珍しいことではない。


 確かに、今は《幽霊の携帯電話》なんて噂のある地にいるけれど、何をそれほど怖がることがある?


「大丈夫か?」


 沙耶香の、普通ではないおびえ方に、幸也が声をかける。