その途端、さっきまでの涙はどこへやら、紗耶香は命一杯の笑顔を浮かべて、 「ありがとう!」 と、幸也の首に両手をからめ、抱きついた。 「うわっ!」 その拍子に幸也は前へとバランスを崩し、そのまま紗耶香に馬乗りになるように倒れ込んだ。 しばしの、沈黙……。 次の瞬間、紗耶香の悲鳴と、ネコの笑い声が同時に響き渡った――。