19の夏~私の愛した殺人鬼~

「なんだ?」


 幸也は立ち止まり、振り返る。


 ネコはすでに玄関を出て、大あくびをしている。


「私も、何か手伝いたいの」


 一言、真剣な眼差しでそう訴えかけてきた。


「……」


 幸也は返事をせずに、ジッと紗耶香をにらみつけるようにして見つめる。


この女……。


『自分が怪しい人物だと疑われていた』という意味が理解できてないのか?


昌代を殺した犯人と繋がっているかもしれない。


共犯じゃないのか?

そんな疑いを掛けられたんだぞ。


 心の中でそう言いながら、紗耶香の真っ直ぐな視線に一瞬たじろく。