19の夏~私の愛した殺人鬼~


「この部屋に入ったときからずっと、そこに霊気を感じる。

けれど、それが何であるかはわからない」


 指差された机の下に紗耶香と幸也の視線が集中する。


 けれど、もちろんそこには何も見えない。


「ちょっと、やめてよ」


 軽く身震いをして、ネコを睨む。


「大丈夫だ、悪い霊じゃない。

もしかしたら、君のお姉さんかもしれないな」


 その言葉に、紗耶香は一瞬大きく目を見開く。


お姉ちゃん? 本当に?


「今度機会があれば見てやるよ」


 ネコはそう言うと、ぎこちなく口元を上げた。


 一応、『笑った』つもりらしい。


 作り笑いなどネコの性格に合わないから、無理をしなくてもいいのに。