19の夏~私の愛した殺人鬼~


 綺麗な、吸い込まれてしまいそうな瞳の闇。

 そして、それに導かれるようにして、口を開いた。


「実は、昨日お姉ちゃんの声が聞こえた気がして……」


「なんだと?」


 幸也が身を乗り出し、ネコは表情を変えなかった。


「火葬が終って、遺骨を目の当たりにしたとき。


なんていうか……お姉ちゃんが私に何かを伝えたがっている気がしたの」


「何かって?」


「それは、わからないけど……。

たぶん、真実を、だと思う」


 自信がなさそうに言う紗耶香に、ネコは一つ頷いた。


「確かに。

他殺の場合は魂がその場に残ったり、自分の大切な人の所まで飛んで行ったりして、真実を伝えたがることが多い」