その紳君の素敵な笑顔は、残念ながら私に向けられた事はない。

と言うか、ある女の子以外の女子に向けられたのを、私は見た事がない。

その女の子とは……姉の優子だった。

そして私は気付いてしまった。紳君の優子を見る目が、異性を見る目である事に。

つまり紳君が、姉離れ出来ずにいるシスコンである事に…


紳君の格好よさに他のみんなも気付きだし、いつのまにか『クール王子』と呼ばれるようになり、新たな学園のアイドルになろうとしている。

いや、もう既になっているかもしれない。