「――気に入った?」 ぼそっと、まりあが呟いた。 まりあは、特別、気に入ったか気に入っていないかを知りたいわけでもなさそうだ。 ふと、口を吐いたのだろう。 たとえ、私がこのキーホルダーを気に入らなかったとしても、もし捨てたとしても、まりあは、自分がそれをあげたいと思ったことだけでいいのだ。 その後のことは何も望んでいない。 まりあは、そういう人だと……思う。 わからないけれど、たぶん。