「…うん…。 わかった」 涙を拭いて、悠衣が笑う。 七瀬も笑う。 シュッと音がして、まりあの前に現れたのは、キラキラと光る花火だった―。 「は…なび?」 「そうだよ! まあちゃん、去年も今年も、花火、一回もしてないでしょ?」 優しく頼もしく、そう言う愛夕を見て、まりあは涙を流した。 キラキラと明るく光る花火が、ゆらゆらと滲む。