天国への階段 ―いじめ―




「いいね。手作りの……誕生日プレゼントって。なんか、あったかいよね――」


「……うんっ」
 


まりあは、珍しく歯を見せて、満面の笑みを見せた。
本当に、嬉しかったんだなーって、わかる。



「今までに、一番嬉しかった誕生日プレゼントは何?」


自然と言葉が口を吐いていた。



「……花火……かな」
 

昔を懐かしむように、まりあが言った。
…花火…?


「どうして?」
 


首を傾げた。
花火が誕生日プレゼントというのは、聞いたことがない。
確かに、サプライズみたいに貰ったら嬉しいだろうけれど……。
 

私が不思議そうにスッとまりあの目を覗き込むと、まりあはひとつ深呼吸をしてから口を開いた。



「昔ね―…」