思わず目を見開いた。
そして、これでもかってほどに、相島さんを見た。


本当に、これは現実なのだろうか?
それとも、夢だろうか?


そう思うほどに、今見ている相島さんが、この世のものに思えなかった。



美しかった。
この世の何よりも、美しく見えた。



透き通るほどに白い頬が、夕日でオレンジ色に染まり、温かくて、どこか懐かしみを帯びていて……。

優しく私を見つめる大きな瞳も、柔らかく口角をあげる唇も、そっと膝にのせる細い腕も……。


この世にこんなにも美しいものはあるのかと思うくらいに、相島さんは綺麗だった。



私の頬に、一筋の涙が伝った――。


美しさに涙を流すことなど、生まれてからあっただろうか。
けれど、それほどに相島さんは、相島さんの笑顔は、美しく、優しかったのだ。そして、私の傷ついた心を、そっと包み込んだ。