天国への階段 ―いじめ―




「………麗子があんたをいじめるからだよ」
 



――麗子が私をいじめるから?
 
そんなものか、とも思ったけれど、どこかモヤモヤとした。
そんなことで私をいじめるの?ふざけないでよ、と思った。



「……じゃあ、麗子があたしをいじめなくなったら、英子もやめるの?」

「知らねーよ」 


チッと、英子が舌打ちをする。
構わずに、私は質問を続ける。



「麗子があたしを殺せっていったら、英子はあたしを殺す?」



「………殺す」
 


ゾッと寒気がした。
……英子は、本当に私を殺す。
麗子が言ったなら、絶対に。
そう感じ取った。


私の目を真っ直ぐに射抜く英子の瞳は、冷たく鋭かった。