校長室に入ると、ソファに、堂々と英子が腰かけていた。
先生はいない。
二人だけか…と、頬を引きつらせる。
嫌だ。怖い。そう思ったけれど、仕方なく、英子と向かいのソファの、英子から一番離れているところに座った。
ドキドキしたけれど、一対一というのは、逆に安心した。
いつもは、大勢対一人だから……。
そっと、英子の表情を覗き見る。
だるそうに貧乏ゆすりをしながら、頬杖をついていた。
いつも通りの英子だ。
そこでふと、今までずっと気になっていたことを聞こうと思った。
一対一なら、言える気がする。そう思った。

