そんな私をあざ笑うかのように、麗子は言った。 「あなたってサイテー。 これだから、貧乏はやなのよね」 金持ちである麗子の、これでもかってほどの嫌味だ。 どうしてうちは貧乏なの? どうしてうちは離婚したの? どうして、お母さんは体が弱いの? どうして……。 金持ち――。 麗子を呪うべきだった。 でも、追い詰められたその時、私は咄嗟に大切なお母さんと家を呪った。 最低すぎる。 これだから、あたしは駄目な人間なんだよ――。