私は、目を見開いて、亜未を凝視した。 何せ、体育を受けなかったのは、私ひとりだけだったのだ。 くそっ――……と、口の中を噛んだ。 はめられた。 麗子達に体育着をボロボロにされた海結は、体育を受けるに受けられなかったのだ。 体育をサボりがちな女子が、今日は全員出たのにも疑問を抱いていたが、それもこのためだったのだ――。 「そんなら…。斉藤しかいねえじゃん」 「まじかよ…」 「あり得る!斉藤んち、貧乏だし!」 「斉藤の荷物検査しよーぜ!」