廊下を歩きながら、心に余裕が出てくると、あれほど憎んでいた自分の敵である吉木へ憐れみの気持ちさえ出てくるのだな……と感心した。 が、ふと、つい最近までの感情が波のように押し寄せてきた。 自分が麗子にどれほどいじめられても、吉木は黙って見ていた。 時に、麗子たちのほうに回ったこともある。 許されがたいことをしたことを、思い知らせてやる。 教師として、永久に追放されるがいい。