ダンダンと音が鳴るくらいに、 強く踏みしめて階段を上った。 この一段一段の感触を、 忘れてはいけないと思った。 私のこれまでの悲しみを、苦しみを、辛さを、すべてを感じてから、飛び立とうと思った。 解放される喜びが余計に大きくなるし、麗子たちのしたことの重さがわかるだろう。 階段を上りきったら、屋上を歩く。 フェンスの向こうに飛び立って、 風に乗って私は天国へ行く――。