天国への階段 ―いじめ―






「てめえ、何聞いた……。
誰に何聞いたってきいてんだよっ!!!!!!」




胸倉をつかまれ、揺すられる。
大丈夫、まりあがいる、とくじけそうな心を奮い立たせる。




「そんなこと関係ないっ!!
ねえ、どうしてっ!?

麗子のまわりには、あたしと違ってたくさん人がいるじゃない!!!
友達がいっぱいいるじゃない!


なのになんでサミシイの!?」





「てめえに何がわかんだよ!
あたしのまわりに友達なんかいないっ!!!


ほんとの友達なんて…………一人もいねえんだよ!!」





眉間に皺をよせ、怒りの中に少しだけ哀しそうな表情を浮かべ、麗子は言った。

胸倉をつかむ手がだんだん緩んでいく。




「今度親のこと言ったら殺す」




麗子はそう言って踵を返した。