「空って、大きいね」 まりあがふと呟く。 空はこんなにも広く大きい。 こんな大きな空の下、私たちはちっぽけで、私たちの抱える悩みなんて、ほんの些細なことなんだと思えた。 お父さん。 私は、人生を決めつけるのは、語るのは、あまりにも早すぎたんだね。 いまならそう思えるよ。 たったの十四年だけど、私は押し潰されそうなほど人を知った。 それでも、この先何があるかなんて、わからない。