天国への階段 ―いじめ―

「ありがとう。ありがとう、海結……。
先生と、いじめている子と話し合わなきゃ」
　



そう言うママを前に、私は少し視線を落とした。
そして、一呼吸置いてママと視線を合わせた。





「お母さん、私、大丈夫だよ」




「え……？」
　



何を言われたかわからない、という顔で、ママは私を見た。
私は言葉を続ける。




「私はもう、大丈夫。だから、先生や麗子たちと、話し合わなくていいよ。ごめんね、せっかく来てくれたのに」


　

ハッキリとそう伝えた。
今度はママが動揺する。