天国への階段 ―いじめ―





「お母さん、あたしがいじめられてたこと、知ってたの……?」




「気付かないわけないじゃない……。


サイフ盗難事件の時もそう。
海結が必死で隠そうとするから、その気持ちをむげにはできなかったけど、わかってた。海結がそんなことする子じゃないって、信じてたから……。



でも、制服やジャージを新調することくらいしか、してやれなかった。
話を聞いてあげればよかったのに」



「え……」

 


私がいままで、制服やジャージをボロボロにされても平気だったのは、ママが「おさがり。知り合いの子で、北台を卒業した子のを貰ってきたの。成長期だからね!」と、貰ってきてくれたからなのだ。




それも、知っていてのことだったのか。



じゃあ、「学校楽しい?」と聞くのも……ちゃんと理由があって……?