まりあのいるところまで駆け下りる。 これまでの百段分の嫌なことなんて、まりあと出会えた、そのひとつの良いことで十分だ。 勢いよく、まりあに抱きつく。 「まりあ、大好き。好き。好き……」 これだけじゃ伝えきれない。 一億回言ったって、全部は伝わらない。